大学受験の年、いとこが関西福祉科学大学に入学していたこともあり、関西福祉科学大学に入学しました。
在学中は、入学した学部が社会福祉学部であったため、漠然と「社会福祉士になりたい」と思っていました。
そんな気持ちの中、社会福祉士の実習で特別養護老人ホームに行く機会があり、実習期間中に現場で高齢者と関わっている中で、介護職への興味が湧いてきました。しかし、社会福祉士の大学に通っていたこともあり、介護技術に関しては初心者であったため、介護職という仕事が自分にできるのか不安でした。
大学4回生の時、就職フェアに参加し、多数の法人がある中で、就職先に希望する条件として第一に考えていた「入社後の研修制度が充実している」という点に惹かれたのが成光苑であり、入社しました。

現在は特別養護老人ホームで介護職をしています。施設を利用される方には寝たきりの方や認知症の方、ある程度自立されている方など様々な方がおられます。そういった様々な方がおられる中、施設で生活するのに必要なことを、その方の身体状況や意向など、一人ひとりに合わせて支援しています。具体的には排泄介助や食事介助、入浴介助、その他にもご利用者とのコミュニケーション、レクリエーションを行うなどが主な仕事です。
仕事を行う中で特に意識していることは、ご利用者ができるだけ自立した生活ができるよう支援することです。ご利用者をただお世話するという認識ではなく、「できない部分だけ支援を受ければ、自分の意思で生活ができる」と、ご利用者に自信を持っていただけるようなサービスを提供するという意識を持って仕事に取り組んでいます。

この法人の強みは、地域との関わりに重点を置いているところだと思います。
大阪と京都に複数の施設がありますが、それぞれの施設がいろいろな方法で地域との交流を盛んに行っています。
現在はコロナ禍のため中止されていますが、自分の働いている施設では地域の方がボランティアとして、施設で喫茶のお手伝いをしたり、庭で園芸をしながら施設のスタッフや地域住民が交流を図るなど様々な活動が行われています。また大人だけではなく、地域の小学生と一緒に料理をしたり、遊んだり、勉強したりするイベントも行われています。そういった地域の大人から子供まで年齢層に合わせたイベント等を行い、交流しているところが法人のおすすめポイントではないかと思います。

自分が認知症フロアで働いていた頃、ある女性のご利用者と出会いました。その方は認知症の影響もあり、比較的どのスタッフに対しても、すぐに怒るなど不機嫌になられることが多い方でした。しかし、不思議と自分はあまり怒られたことがなく、笑顔で接してくださることが多かったことを覚えています。その方の自分に対する態度が、他のスタッフと違う事を不思議に思っていたので、ある日、面会に来ていた娘様にそのことを話してみました。
すると娘様から「亡くなったお父さんに顔がそっくりなのよ」と言われました。
実際のところ、ご本人が自分のことをどう思って接していたのか、今になってはわかりませんが、もしかしたら旦那様に重ね合わせていた部分があったかもしれないということを知ることができ、嬉しいような、恥ずかしいような・・・不思議な気持ちになりました。
この出来事が、介護の仕事をしてきた中で一番印象に残っている事です。